01『自分の障がいとこれからの人間関係を見直したいと思いました。ここで準備ができたので、希望していた介護職へ就くことができました。』

就労先の業種介護職
名前Nさん
障がい種別等抑うつ、吃音
ジョブロジック来所の前ジョブロジック来所の前:一般企業を退職後、ジョブロジックへ入所。その後再び一般就労へ。

現在の仕事内容と1日のスケジュール

特別養護老人ホームで利用者の食事・排泄・起床・就寝介助を行っています。
日勤と夜勤交代で勤務しながら、利用者さんの生活全般をサポートしています。

【ある日の1日】

6:00 起床
8:00 朝食
9:00 排泄
12:00 昼食
13:00 排泄
17:00 夕食
18:00 就寝

利用者さんの生活に合わせて、介護という名前のつくもの全般に関わっています。入浴介助もしますし、服薬の手伝いもあります。日勤だけでなく夜勤もあります。働き始めてすぐは日勤のみで、夜勤はしばらくしない予定でしたが、職場で人手が足りていないこともあって予定より少し早く夜勤もするようになりました。

仕事はシフト通りです。利用者さんの生活に休みはないので、土日、お盆正月関係ありません。早番・遅番もあるので、慣れるまでは生活リズムが崩れる時もありましたが、次第に慣れました。

仕事をする上で工夫していること

一緒に働く職員と相談しながら、利用者さんや現場のことを考えて仕事に取り組むようにしています。一人で判断する場面もありますが、基本的に看護師さん、介護士さん、栄養士さん、他の職員の方々と現場の意見を交わして「こういうことが起きました、こういう場合はどうしていきましょうか」といった会話を一番大事にしていますね。

情報の共有と情報の改善が大事です。利用者さんの状況は常に変わりますので、情報の共有と情報の修正をしていかないと現場が回らないため、気になることは聞くようにしていますし、自分の意見を言うときもあります。「言う」と「聞く」の両方がありますが、なるべく工夫というか自然にしようと心がけているのは、一緒に働く人の意見を聞くことですね。「この人の意見だから聞かなくていいや」とか、「この人の意見は重要だな」といった感じに偏らないようにしています。時と場合によりますけれども、基本的には全員の意見をなるべくシンプルかつフラットに聞くようには心がけていますね。

ジョブロジックに入所して目指したこと


(ジョブロジックに入ろうと決める前に)A型事業所に入ろうと思った当時は、大多数の人を信用できなくなってしまい、人と話すこと自体が怖くなっていた時期なんです。それで、このまま人と話すことが怖い状態だと、自分の吃音という障害も悪化するなと思っていました。実際悪化していましたし。人と話すことが一番の改善の道だと思ったので、(ここで)話していこうと思いました。

一般就労をして一人暮らしをすることと、長く働くことを目指しました。人間関係に少し困っている時期があったので、自分の障がいも含めて見直しをしたかったんです。その前からゆくゆくは介護の仕事をしたいと思っていましたが、介護の道に進むのを一旦止めて、しっかり自分の障がいとこれからの人間関係を見直したいと思いました。

ジョブロジックはインターネットで見つけました。「札幌 A型事業所」で調べて、ジョブロジックファクトリーの就労先が食品工場とわかり、以前に食品工場で働いたこともあったので、工場は違っても同じ食品工場ですので、やれるかなと思って入ったのがきっかけですね。

ジョブロジックで助けられたこと、印象に残っていること

入職してから職員さん、利用者さんと話すことに怖さを感じていましたが、怖がるのは良くないなと思っていても、やっぱり人への恐怖心が強かったので、殻に閉じこもっていたんです。すると職員さんや利用者さんから話しかけてもらい、それが優しい声かけだったので「この人たちと話せるな」と思いました。話しかけてもらえたことで、「話しても大丈夫だな」と思ったんですよね。助けられたことがかなり多かったです。

例えば仕事の面では、ここで働き始めてすぐに、過去に働いたことのある食品工場とは扱っているものや仕組みも違ったのでどうしようと思っていたときに、職員さんや利用者さんから「こういう時はこうすればいいんだよ、何か困っていることはないですか」と聞かれて、『聞かれたから答えよう』と自然に思えました。自分からは「困っています」とか、「どうすればいいんですか」と言えなかったので、聞かれて話してみようと自然になっていったことが一番助かりました。最初は誰かが来るのを待つだけだったのですが、自分から声をかけられるようになって、3〜4ヶ月くらいで慣れてきたなと実感しましたね。それからは、後輩に教えることもしていました。

ジョブロジックで働き始めて半年程で「介護の仕事に戻りたい」と相談したんですが、職員さんに「まだ半年しか経っていないし、1年働いてからにしよう」とアドバイスをもらったことを一番はっきり覚えていますね。その時は、気持ちだけがすごく焦っていました。今、介護の会社に入って実際に働いてみて、もしそこで戻っていたら、また前と同じだったな、と思います。それで半年延ばして、1年経ってから就職しました。残り半年の期間のうちに介護の資格(ヘルパー2級)を取得しました。この準備期間があったから自分が希望する介護の仕事に就くことができたと思いますし、とてもありがたかったです。

これからの目標

一般就労して丸2年が経ちました。介護福祉士の資格を取得するのに実務経験は3年必要で、今年のうちにその3年に到達するので、1年後の試験に合格して資格取得するのが当面の目標です!

札幌で就労継続支援 A型事業所を検討中の方へのメッセージ

ジョブロジックをおすすめしたい理由は、働きやすい就労場所(働きやすい職場)と、とっても優しい職員と、すごく頼りになる利用者さん、この3つです。同僚、やっぱり働く仲間ですね。みんな本当に様々な個性があるけど、優しいんですよ。職場は働きやすいです。精肉工場と食品工場と2つありますが、私は両方で働きました。そこで頼りにしてもらえるとまた働くのが楽しくなります。

障がいをもっていても、日々の目標に向かって進むのが大切なことです。くじけることや、諦めることがあるかもしれませんが、焦らずに長いスパンで自分のことを見つめていければ良いと思います!


職員からのコメント 

Nさんはこれまで一般就労の経験もあるため、ジョブロジックへ来て半年時点で一般就労しても大丈夫だった可能性もありましたが、入職して3ヶ月頃で体調を崩されていたことや、働くことへの焦りも出ていたので、もう少し働いてからが良いのではとアドバイスしました。長く働くことの成功確率を高めていくためにも、Nさんの場合はその期間が1年だった、ということです。期間は3か月で良いという方や、2年3年4年と積み上げていったほうが良い方もいて、一人ひとり様々です。就労はこの先1年働いたら終わりというものではなく、5年10年、自分で働いてご飯を食べていかなければならないわけですから、継続的に働くためのベース作ることが大切です。

Nさんは働く能力のベースはありましたので、働くリズムをつけること、焦らずにやること、そして、自己評価が他己評価と比べて低く、実際以上に自分ができていないと思われていた傾向にありましたので、その改善にも取り組みました。焦らずにここで準備を続けて、働きながらでも資格を取得できればその先につながりますから、介護の資格(ヘルパー2級)も取ってしまいましょうと話しました。

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